平穏な海の時代(別所(べっしょ)層)

92 ~ 92

激しい海底火山活動がおさまると、静かな海の時代を迎えた(およそ1,500万年前)。この海はしだいに広がり、現在の中部地方を日本海側から太平洋側まで横断した。この海をフォッサマグナの海と呼んでいる。この時期は現在より暖かい気候で、海にはイルカ・クジラや魚がたくさん泳いでいた。地殻変動も穏やかな時代であったので、陸域からの砕屑(さいせつ)物も少なく、細粒の泥岩が広く堆積した。このため広い地域で同じ岩相(がんそう)の地層が形成された。

 別所層堆積期の後半には、安山岩溶岩の噴出や地下では大規模な火成活動が始まり、東部山地の地下には大規模なマグマの貫入がおこなわれ、深成岩類が形成された。現在地表に露出する深成岩類は、この時期に形成された岩体である。この火成活動によって、東部山地や上小地区は隆起(りゅうき)を始めた。