500万年前ごろになると戸隠(とがくし)地域の海底で、激しい海底火山活動が始まった。この時期は、もっとも海が深くなった時期である。この海底火山は大規模な火山活動であり、厚さ1,500m以上に達する安山岩質の溶岩や火砕岩類を噴出した。現在みられる戸隠連山・荒倉山・虫倉(むしくら)山・陣場平(じんばだいら)山などは、このときの噴出物である。これらの火山噴出物は、ところどころに堆積層をはさんでいることから、火山活動にも大きな休止期がたびたびあったことを物語っている。
荒倉山火砕岩層分布域の周辺域では、砕屑(さいせつ)性の堆積物が堆積していた。南側の信州新町から七二会(なにあい)地域にかけては、浅海性の海が広がり、河川の影響で汽水域となったり海となったりし、粗粒の堆積物が堆積した。このような地域に堆積した地層が城下砂岩礫岩層である。
荒倉山火砕岩層分布域の北東側には、荻久保砂質泥岩層が堆積した。この地層はやや深い浅海にあたる外側陸棚に堆積した地層である。この時代は盆地西部山地域が海域であった。