土壌の分類

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土壌の種類のちがいは、地名などによってもある程度判断することができる。たとえば5万分の1の地形図で、長野図幅には長沼・野池・内田沖・大豆島・赤土・赤田などの地名を読みとることができる。

 これらの地名と土壌分布を合わせてみると、長沼や野池にはグライ土と泥炭土が分布しており、内田沖には灰色低地土が、赤土や赤田には褐色森林土と赤黄色土が対応している。

 このように場所によってちがう土壌を、ひと目でわかるように図示したものが、土壌図である。

 土壌図は、土壌をひとつの独立した自然体として、植物や動物の系統分類と同じように分類したものである。したがって、この土壌図からは土壌分布の法則性と、土壌の相違を読みとることができる。

 土壌図を作成するには、まず土壌調査をし、定められた分類基準にしたがって、その生い立ちと土壌断面にきざまれている諸特徴の異同をもとに区分して位置づける。すなわち、山地土壌は主に気候帯によって区分され、小さくは主に地形のちがいから区分される。

 気候帯による大分けは「土壌群」と呼ばれ、褐色森林土・ポトゾル・黒色土など8土壌群に分けられる。土壌群はさらに24亜型に分類される。地形のちがいによる小分けは「土壌型」と呼ばれ、86土壌型に区分される。いっぽう農耕地土壌は、地形、母材、堆積(たいせき)様式のちがいを考慮するとともに、小さくは土壌断面から読みとれる特徴、すなわち土色や土性、腐植層の厚さと腐植含量、礫層、斑紋の有無などをもとに24土壌群、72土壌亜群、188土壌統群に区分されている。以上述べた山地と農耕地土壌の区分の基準を図式化したものが図3-3・4である。


図3-3 山地土壌の分類体系の概要


図3-4 農耕地土壌の土壌群の占める位置の模式図
(高井・三好(1977)「土壌通論」による)

 この基準にしたがって作成した長野市の土壌図は、付図として別刷されている。