② 土壌の理化学性

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 土壌の理化学性は、上の土壌断面とは異なる地点での同一土壌型の分析結果であるが、表3-2に示すとおり、この土壌のM層は、自然状態の容積重および、自然状態の採取時含水量、最大容水量ともきわめて小さく、含水量対容水量比も小さい。逆に最小容気量はきわめて大きい。


表3-2 BA型土壌の理化学性

 M層の炭素量は多いが、窒素量が少ないため、両者の比であるC-N比はきわめて大きい。C-N比は土壌有機物の分解が順調に進むような、温度と水分に恵まれた環境では10前後に落ち着くはずであり、山地帯の温帯性の気候下では、BA型土壌が、水分の乏しい環境におかれていることから、土壌微生物の活動が抑えられるため、有機物の分解が円滑に進まないことを物語っている。

 B層のpHは非常に小さく、置換酸度はかなり大きい。この土壌が、ポドゾル化土壌に匹敵する強酸性の土壌であることがわかる。