有機物の分解はきわめて良好で、黒褐色のA層が厚く、団粒状構造は深くまで発達する。B層は暗褐色で、特別な構造は発達しないことが多い。その特徴はBD型土壌と似ているが、A層が深く、B層がかなり暗色であること、堅果状構造、粒状構造など乾燥の影響をうけてできた構造がほとんど認められないことなどが特徴である。塩基の飽和度は、とくに表層で他の土壌よりも高く、酸性は弱い。
斜面の下部から沢沿い、凹型の斜面にあらわれ、崩積土となっていることが多く、理化学性が良好で、生産力の高い林地が多い。
長野市では全般に大小の沢沿いに分布するが、長野盆地一帯に降水量の少ないことを反映し、分布の幅は広くはない。
自然植生はトチノキ、カツラ、サワグルミ、サワラなどの森林が多く、林内にはタマアジサイ、リョウメンシダ、オシダ、ジュウモンジシダ・キヨタキシダなどの指標植物がよく見られる。この土壌はBD型土壌と同等以上の生産力をもつ。とくに崩積土は褐色森林土の中でももっとも生産力が高く、スギ・ヒノキをはじめ主要樹種の最良の造林適地である。