沼沢地などで、いつも水が停滞するところでは、植物遺体の分解が遅れ、厚く堆積する。このような植物遺体が堆積してできた土壌を泥炭土群という。
泥炭は、それを形成する植物種によってミズゴケを主とする高位泥炭と、ヨシ、スゲを主とする低位泥炭に区分される。また比較的新鮮な植物遺体からできているものから、かなり分解の進んだものまであり、流入した土砂や火山放出物によって鉱質土粒の混入したものもある。これらの主として泥炭からなる層を泥炭層という。泥炭の分解が進み、植物遺体が肉眼で認められなくなったものを黒泥といい、黒泥からなる層を黒泥層という。
表層に泥炭あるいは黒泥の発達した土壌を、一括して泥炭土群に含める。泥炭土群は泥炭土・黒泥土・泥炭ポドゾルの3亜群に分け、それぞれ1土壌型をおく。
長野市では、飯縄山の南東山麓にひろがる緩斜面の上蓑ヶ谷池・大池など小湖沼の周辺に分布し、ハンノキ林やアシの群落におおわれている。黒泥土に近い形態をもつ泥炭土である。