専門用語の解説

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1 土壌の色は、農林省農林水産技術会議監修(1967)「標準土色帖」により、色の種類(色相)・色の明るさ(明度)・色の濃淡(彩度)の三要素の組合せを数字で表わしている。

(例)黒褐色(10YR(色相)2(明度)/3(彩度))など。

  一般に褐色森林土では色相7.5YRから10YRの範囲の色相が多い。より赤味の強い5YRの色相は、ポドゾル化土壌の集積層や赤色土以外にはあらわれない。より黄色ないし青味のある2.5Yや5Yなどの色相は、グライなど過湿な土壌にかぎってあらわれる。

2 腐植の含有量は、黒味の強い土層ほど含有量が多い。区分は「すこぶる富む」・「富む」・「含む」・「乏しい」に分ける。

3 土性は、土壌粒子の大小による土壌の区分をいう。「砂土」・「砂質壌土」・「壌土」・「微砂質壌土」・「埴質壌土」・「埴土」・「石礫土」に分かれる。

  なお理化学性の表では、上記の区分でなく、分析結果の機械的組成(粒径組成ともいう)により、つぎのような「国際法」の土性区分を適用し、記号で表示している。hC(重埴土)・1C(軽埴土)・CL(埴質壌土)・L(壌土)・SiC(微砂質埴土)・SiCL(微砂質埴壌土)・SiL(微砂質壌土)・SC(砂質埴土)・SCL(砂質埴壌土)・SL(砂質壌土)・LS(壌質砂土)・S(砂土)。

4 土壌の構造は、砂粒や粘土粒など、土壌の粒子がいろいろの状態で結合し、土塊をつくっている状態をいう。ある力が加えられたとき、自然にできる土塊の形によって「細粒状構造」(菌糸によって細かい土粒がつなぎあわされた状態)・「塊状構造」(角の不明瞭な立方体に似る)・「堅果状構造」(角の明瞭な氷砂糖に似た形状で固い)・「粒状構造」(塊状構造に似るが、より小さく、固い)・「団粒状構造」(パンくずに似たふんわりした状態)・「かべ状構造」・「単粒構造」(土粒が個々にばらばらになっている)に分ける。

  はじめの四つの構造は乾性の環境でできる。団粒状構造は中庸ないし弱湿性の水分環境で発達する。

5 堅密度は、土層の固さを示すもので、土壌断面をおやゆびで押してみて、「すこぶる鬆」(または「すこぶる粗」)・「鬆」(または「粗」)・「軟」・「やや堅」・「堅」・「すこぶる堅」・「固結」に区分する。

6 水湿状態は、土塊をにぎったり、さわったりしたときの湿りぐあいから「乾」・「潤」・「湿」・「多湿」・「過湿」に区分する。

7 その他として、根は草本・木本を区分し、太さによって「太根(20mm以上)」・「中根(2~20mm)」・「細根(2mm以下)」に分け、分布状態から「きわめて多」・「多」・「あり」・「少」・「稀」・「なし」に区分する。

8 石礫は、その形により、角礫(角張っている)・礫・円礫(角がすり減って丸くなっている)に分け、その量を面積の比率などであらわす。

9 層位の推移状態は、下層との層位の移りかわりの状態を示す。「明瞭」は推移帯の幅が3cm以下。「判然」は同じく3~5cmの間。[漸変]は5cm以上であることを示す。断面図には、各層の境界線を下のように示す。「―――」明瞭・「-・-・-」判然・「-----」漸変。


写真3-34 泥炭土の断面設定は、浸出水との闘いである