1 農耕地土壌の種類

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 山地に対応することばに平地がある。この平地を構成する台地や盆地のほとんどの土壌は、農耕地に利用されている。ここでは農耕地を対象に作成された土壌の分類基準にもとづき、市域の土壌について述べてみたい。

 この土壌分類では先に述べたように気候・地形・母材・堆積(たいせき)様式を考慮して、そこで形成される土壌断面形態の違いをもとに土壌の種類を決めている。

 土壌断面に関しては、腐植含量と腐植層の厚さ、土色、土性、礫(れき)層の有無と出現位置、酸化沈積物などを区分の基準にあげている。

 この分類方法に準じて区分した市域の農耕地土壌は表3-12に示したように、9土壌群・12土壌亜群・18土壌統群に分類された。


表3-12 市域の農耕地土壌の種類と分布

 また、農耕地土壌は慣例により畑土壌と水田土壌に大別され、農業生産と自然科学の面から研究の対象にされている。なぜなら水田は、水稲栽培期間の数ヵ月は灌漑(かんがい)を継続するために、田面はつねに湛水(たんすい)状態に保たれるので土層は還元が発達する。

 その結果、畑地土壌とは異なり、水田土壌化作用が発達する。またその強弱が、水稲の生育や収量に大きな影響をあたえる。


写真3-35 高原の畑に似合うソバの花
(浅川・大池の近く)