芋井入山や浅川北郷、豊栄(とよさか)白石、赤柴などの山腹と傾斜地の棚田にかたまって分布している。この土壌の特徴は、黒色~黒褐色の腐植層が厚さ50cm以上占めていることである。
代表地点の土壌断面は、地表下62cmまでは黒褐色で、それより下部は腐植含量10%以上の黒色をした埋没腐植層が堆積(たいせき)している。全層をとおして土性は埴壌土と細かく、緻密(ちみつ)度は低い。21cmまでは鉄やマンガンが同時沈積しているが、21cmから51cmまでは鉄の斑紋が、51cmから62cmまではマンガンの点状斑紋が分離して形成されている。このことは、この地域では水田耕作がきわめて長期間にわたって継続されてきたことを物語っている。