浅川や裾花川・犀川は、それぞれ市域の西に連なる山地から粘土に富んだ土砂を搬入して扇状地を形成している。その平坦(へいたん)面は細粒質の厚い土層を有し、水田に利用されている。
代表地点は、現在公園や県民文化会館などになっているが、1975年(昭和50)まで80年間長野県農業試験場があり、主に水稲の研究が進められていた。有効土層は、1m以上と厚く、AP層は腐植を含むがB層は欠く。土色は全層灰褐で、土性は埴土~埴壌土と細かい。礫を含まずB層は柱状構造が発達している。各層とも斑紋に富みAC層とB3層はマンガン斑を含んでいる。粘着性や可塑(かそ)性は強いが透水性のよい土壌である。