① 中粒質グライ化灰色低地土(代表地点・大豆島)

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 地表下50~70cmに地下水グライ層の上端があらわれる中粒質の土壌である。代表地点の土壌は灰色土層が約40cmあり、上部24cmぐらいまで糸根状・膜状斑紋に富み、それより下部でグライ層までの間は太い管状斑紋が多い。

 この周辺は、1955年(昭和30)ごろ長野県農業試験場が調査したときはグライ層の上端が25cm前後と高かったが、今回の調査では50cm前後に下がっていた。

 このことは、1955年以降に進められた善光寺平の大規模な排水事業の効果が、しだいに広範囲に波及し、この地域のようなかつての湿地帯が漸次改善され、乾田化の方向にあることを示す。

 なお、グライ化灰色低地土は、土性の違いにより3区分されるがそのうちの一つである。


写真3-72 中粒質グライ化灰色低地土の景観


写真3-73 同上の土壌断面