低位泥炭土は、無機質土層の出現位置とその有無によって3区分される。市域で水田に利用されているのは表層無機質泥炭土である。
この無機質土層は、湿地帯や旧沼沢地を水田に造成するときに、他所から土を搬入して形成したAP層である。その結果、写真3-85に見られるように、表層は15cm内外の無機質土層で、それより下層は泥炭層からなる土壌断面が形成されるようになる。
代表地点の周辺は、近年進められた構造改善事業のおかげで排水がよくなり、地下水位が下がるなど乾田化の傾向にある。しかし、50cm付近にはまだ肉眼で明瞭に識別できるヨシの根が、いまだにその姿をとどめている。