(1) 地位指数スコア表

143 ~ 145

 スギ・ヒノキ・カラマツなど主要な樹種の造林地から多数の調査標本をとり、その生長状態と土壌・気候・地形・地質その他の各種の環境因子との関係を、多次元解析の手法により統計処理をおこなって、各種の環境条件ごとに最適とされる一定の点数(スコア)をあたえたのが、表3-13に示す「地位指数スコア表」である。ここで「地位指数」というのは、一定の基準林齢における森林の主林木の平均樹高を示す数値で、森林の生産力の大きさをあらわすものである。


表3-13 地位指数スコア表

 基準林齢は、スギなどは40年生、カラマツは35年生と定められている。この数値が大きいほど生長の速い良好な森林であるといえる。したがって地位指数を使えば、林齢の異なる森林の生長の良否を対比することができる。

 多次元解析では、地位指数を基準値(外的基準)として統計的解析をおこない、算出された各種の環境因子にあたえられた点数(スコア)を合計すれば、その場所の地位指数となる。

 各土壌型×堆積(たいせき)型ごとのスコアを比較すると、土壌型の生産力を相対的に比較することができる。標高や地形その他の要因の影響もあり、スコアの大きさが決定的なものではないが、適潤性から弱湿性の土壌のスコアが大きい傾向はかなりはっきりしている。