(2) 西山地帯畑の特徴

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 善光寺平の西部一帯を占めている丘陵や山地は、俗に西山地帯と呼ばれ、市域ではもっとも広くまとまった畑地帯を形成している。その広さは市域畑総面積の約33%を占めている。この地域の土壌の種類は、細粒質山地褐色森林土がもっとも広い面積にわたって分布している。この地帯は傾斜が急で、また土壌が重く、強粘質のために乾燥すると固結し、降雨の後は粘り付着するなど、耕作や栽培管理は善光寺平の土壌に比べると、きわめて困難である。

 土壌母材は、ほとんどが第三紀層の泥岩で、これから生成された土壌は母材の性質を反映して黒ボク土や灰色低地土と比べ、珪(けい)バン比が高く、珪酸や石灰、加里、リン酸などを多く含んでいる。


写真3-89 傾斜畑が多い西山地帯


表3-17 西山地帯畑土壌の傾斜区分