水質の特徴

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湧水は、湧出場所が違うと、溶存成分の種類や量に表3-22のように大きな差があった。なかには酸化鉄が地表面を一面に染めた写真3-93のようなものや、黄白色の沈殿を示したり炭酸ガスの発泡をともなうものなどがあった。


表3-22 湧水と灌漑用水の水質


写真3-93 桑園中の湧水

 水温に関しても変動があり、腰巻沖の水田に出た湧水は、最高温度が29.4℃にも達した。


写真3-92 腰巻沖水田の湧水(29.4℃)

 湧水中の成分の違いを塩素含量を例に比較したところ、最低は74ppmから最高7,412ppmまでの開きがあった。この影響を受けた灌漑用水の塩類濃度も高まり、加賀井公会堂西の用水は、塩素含有量がじつに1,500ppmを示すようになった。調査時期はやや異なるが、もっとも代表的な河川である千曲川の水質と比較したところ、多くの成分が10~100倍と高い値を示した。

 しかし、これらの湧水や用水の水質は1966年10月から1967年10月まで1年以上つづけた観測の結果、時期によってかなり変化が認められた。