湧水の流入があった牧内から大熊沖にかけて、約30haの水田を対象に112ヵ所の水田土壌を調査した。その結果70%余りの水田が汚染されており、そのなかでも強度に汚染された水田土壌では、pH7.2~8.6と高まり、ナトリウムの値もきわめて高く、アルカリ化の傾向が認められた。いっぽう、水田の乾湿の相違と汚染の関係は、乾田ではAP層に多く吸着され、B層にはその影響が少なかった。また湿田ではAP層からB層まで全般に増加していることがわかった。
いっぽう、土壌がアルカリ化することによって土壌有機物の分解が急速に進み、アンモニア態窒素がしだいに増加してきた。その影響を受けた水稲は、窒素をより多く吸収して青立ちや倒伏、登熟歩合が低下して収量が減少した。