土壌汚染が進んだ水稲ほど、分けつが抑制されると同時に草丈が短く、屑米(くずまい)や青米などの不良米の比率が高くなり減収した。土壌汚染の程度と収量の関係を表3-23に示した。
すなわち、pH6.0以上、EC0.2ミリモー以上、塩素とナトリウムは土壌100g中に40mg以上含まれた水田を、汚染田として除塩の対象にして対策をおこなった。
モデル実験から10a当たり1回100tの良水で汚染の状態に応じ1~6回洗浄することで、ほぼ除塩が可能であることがわかった。現地ではそれを参考に、対策として暗渠(あんきょ)排水と用・排水路の分離工事を施行した。
除塩後の施肥量については、同時におこなった栽培試験の結果、汚染される前の慣行施用量でほぼ今までどおりの収量が得られることがわかった。