塩化物イオンCl-

169 ~ 169

湧水・地下水のCl-の多い地域は、川田・綿内地籍の保科川扇状地の扇端部に位置している。綿内菱田(ひしだ)の60.3mg/Lを最高に、川田の塚本周辺部一帯は36mg/L前後の値を示す湧水が集中している。また、若槻吉(よし)地籍の千載松近くの湧水は52.8mg/Lとやはり高い値を示しているが、いずれの地域も汚染によるものと考えられる。

 東条の松井の泉の136.5mg/L、古藻井の泉の84.1mg/Lは極端に高い値であるが、両泉ともにNa+・Ca2+が多く、地質の影響を受けているものと考えられる。

 Cl-が20.0mg/L未満の湧水・地下水は全体の71.8%を占めており、集落のない山間地に湧出する水はCl-がきわめて少ない。


図4-9 湧水・地下水の塩化物イオン分布(1993)