(7) 松代地域の湧水

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 この地域の湧水はほとんどⅢのアルカリ土類非重炭酸塩型であり、Ca2++Mg2+、SO42-+Cl-の割合が高い湧水である。特記すべき湧水は、皆神山の裾野に湧出している松井の泉と古藻井(こもい)の泉である。

 松井の泉の当量百分率をみると、陽イオンではCa2+>Na++K+>Mg2+であり、陰イオンではCl->HCO3->SO42-の関係がある。陽イオン中Mg2+は最低であるが、1.81me/L(21.97mg/L)、Ca2+においては3.12me/L(62.48mg/L)である。陰イオンでは最低のSO42-でも0.92me/L(44.0mg/L)であり、Cl-においては3.85me/L(136.5mg/L)とその量は非常に多く、電導度も668μS/cmに達している。主成分はCaCl2(塩化カルシウム)やNaCl(塩化ナトリウム)と考えられる。

 また、古藻井の泉についてみると陽イオンの関係はNa++K+>Mg2+>Ca2+であり、陰イオンではHCO3->Cl->SO42-の関係がある。Na+では2.94me/L(67.6mg/L)、Cl-では2.37me/L(84.1mg/L)という値を示している。この両泉を代表とする松代地域の湧水がⅢのタイプに属するのは地質的な影響を受けているためと考えられる。