1 河川の概要

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 長野市内を流れている河川は、千曲(ちくま)川水系と犀(さい)川水系に大別される。

 千曲川は、県境の甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)(標高2,475m)に源を発し、佐久・上田・更埴を経て長野市の東部を流れ、新潟県にいたる。


写真4-10 千曲川(更埴橋より上流を望む)

 篠ノ井橋から犀川合流点までの河床勾配(こうばい)は0.8/1,000程度で、きわめて緩やかな流れである。その流量は長野市篠ノ井橋付近で、1日平均6.2×106m3である。

 千曲川の支流には聖(ひじり)川・岡田川・浅川が左岸に注ぎこみ、神田川・蛭(ひる)川・保科(ほしな)川が右岸に流れこんでいる。

 また、犀川は、北アルプスの槍ヶ岳(やりがたけ)(標高3,180m)に源を発し、長野市の西部から東に流れ長野盆地を縦断して落合橋下で千曲川に合流している。。


写真4-11 犀川(千曲川との合流点を望む)

 犀口から千曲川合流点までの河床勾配は2.3/1,000で、千曲川の約3倍の傾きをもって流れている。その流量は長野市小市(こいち)で1日平均10.8×106m3にもおよび、千曲川の約1.7倍の流量に達している

 犀川の支流には、1日平均1.0×106m3の流量をもつ裾花川(すそばながわ)が、丹波島橋で合流している。その他、高野川をはじめとして小さな渓流が注いでいるが、とくに左岸への流入が多い。

 また、犀川から取水される上堰(かみせぎ)・中堰・下(しも)堰・鯨沢堰・小山堰は、灌漑(かんがい)用水路として川中島平の水田地帯をうるおしている。

 各支流の縦断勾配は千曲川水系・浅川水系に比較して、犀川水系・裾花川水系が急傾斜で各沢の流程距離もきわめて短いのが特徴である。

 聖川・岡田川をはじめ松代町の扇状地を流れる蛭川、保科川扇状地を流れる赤野田川・保科川、浅川扇状地を流れる浅川・駒沢川・田子(たこ)川などは比較的緩やかな勾配で天井川になっている部分が見られる。


図4-23 長野市の河川と調査地点