蛭(ひる)川

183 ~ 183

上流の白石①から中流の屋地⑤までは電導度の値が小さく、Ca2+以外の陽イオンや陰イオンでは1.0me/L以下で含有量も少ない。しかし、藤沢川合流点⑥より下流では各イオンの含有量が極端に増大している。藤沢川合流点下の調査では電導度が3,000μS/cmを超し白石の約30倍に達している。

 ①から⑤までのイオンの平均当量百分率をみると陽イオンではCa2+>Mg2+>Na++K+、陰イオンではHCO3->SO42->Cl-の関係があり、陽イオン中Ca2+が62%、陰イオン中HCO3-が43%を占めていたものが、藤沢川の合流点⑥になると陽イオンではNa++K+>Ca2+>Mg2+、陰イオンではCl->HCO3->SO42-の関係となり、陽イオンではNa++K+が57%、陰イオンではCl-が81%を占めるようになる。加賀井温泉の混入が大きく影響していることがわかる。

 なお、西寺尾地籍⑦で電導度をはじめ各イオンの含有量が減少しているのは、神田川の水で薄められたためである。


図4-29 蛭川の流程変化(1993.8.9)


写真4-14 蛭川(東寺尾)