神田川の電導度の平均が129μS/cmに対して、藤沢川の値は544μS/cmで約4.2倍に達しており、藤沢川には多量のイオンが存在する。
1966年(昭和41)松代群発地震の折、藤沢川流域(瀬関-牧内-桐久保)に地割れが生じ塩化物に富んだ水が湧きだし、地すべりを起こした歴史がある。これらの湧水はその後しだいに減少し、枯渇したものが大部分であるが、現在もなお若干しみだしているものと思われる。その量はきわめてわずかであっても、多量のイオンを含む水だけに、この混入は藤沢川の水質に大きな影響をあたえている。下流には加賀井温泉も混入しており、異常な水質となっている。
神田川では陽イオン中Ca2+が60%、陰イオン中HCO3-が56%を占めている。これに対して藤沢川ではCa2+が64%、Cl-が40%を占めており、藤沢川の特徴をよくあらわしている。