長野市北部を流れる鐘鋳(かない)川・北八幡(きたはちまん)川・南八幡川・四ヶ郷用水をみると、どの河川も下流ほど電導度の値が増加しており、各イオンの含有量も増える傾向にある。4河川中四ヶ郷用水の流程変化がもっとも少なく、下流の電導度も150μS/cmにとどまっている。これに対して北八幡川の下流では273μS/cmにも達している。とくに北尾張部⑤から柳原布野(ふの)⑥のあいだの変化がいちじるしく、Ca2+・Na++K+・Cl-・SO42-が急増している。
いずれの用水も裾花川から取水しているため、陽イオンではCa2+>Na++K+>Mg2+、陰イオンではHCO3->SO42->Cl-の関係があり、鐘鋳川・四ヶ郷用水では下流でもこの関係が保たれている。しかし、北八幡川・南八幡川の下流では陰イオンのSO42-とCl-が逆転して、HCO3->Cl->SO42-の関係に変わっている。
いずれにしても、それぞれの河川は排水路になっているため下流ほど汚染されている。