上一ノ倉池

199 ~ 200

上一ノ倉池は、標高1,030mで火山灰土層上に位置し、北側に流入水がある。池盆は平坦である。池底には黒褐色の腐植性を帯びた泥を堆積している。水の色は暗緑色を呈し、透明度は1990年(平成2)6月、2.05mであった。

 水温成層は見られない。溶存酸素と全炭酸は、深さが増すにしたがい減少している。

 pHは微弱アルカリ性で、春と夏は弱酸性になる。電導度は27.0μS/cmで、化学成分量が少ないが、池底では61.0μS/cmもあった。

 全窒素や全リン、化学的酸素要求量(COD)ともに春から夏にかけて、それぞれ大きい値を示すが、秋には小さくなる。しかし、アンモニア態窒素と硝酸態窒素は6月に高く、ピークとなる。


図4-51 上一ノ倉池における水温・溶存酸素・化学成分の垂直分布(1990.6.17)
(沖野ほか,1990による)


写真4-30 上一ノ倉池