権堂温泉

214 ~ 214

市内の中心部に初めて掘った温泉で、隣接する浴場・温泉プールのほか各種の運動器具を備えた会員制のスポーツクラブウイングをつくり、健康増進に役立てている。湯は弱アルカリ性で泉質名は単純温泉だが、重曹を含んだ食塩泉の部類に入る。

 裾花川をさかのぼると、旭山の北麓(ほくろく)に竜宮淵鉱泉(鐘ヶ瀬鉱泉、前出)があったが、その1923年(大正12)の分析値と比べると1950年(昭和25)には塩化物イオン247.8mg/kg、炭酸水素イオン128mg/kgをはじめ諸成分がいちじるしく減少している。また、裾花橋の下流約300mの裾花川の左岸に天然ガスをともなった茂菅(もすげ)鉱泉があり、市街地に近い温泉場として親しまれていた。1950年(昭和25)には、柄沢館と眞湯の源泉はそれぞれ泉温14.1,12.2℃、pH7.2,7.3、塩化物イオン533.0,658.6mg/kg、炭酸水素イオン1039,1499mg/kg、硫酸イオン2,2mg/kg、硫黄イオン15,0mg/kg、二酸化炭素60,48mg/kg、メタン1.7,0.6cc/L、成分総計1677,-mg/kgであった。

 1995年(平成7)には柄沢館は泉温11.1℃、pH7.1、成分総計1400mg/kgほどで湧出は微量になっていた。