飯綱高原の大座法師池から北北西1.3kmほどのところにある。古くから鉄鉱泉の名で親しまれてきたが、今は旅館も浴槽もなく入浴はできない。
源泉は地中に埋めた樽の底から湧き上がってくるように見える。なかは無色澄明だが縁から流れ落ちるところで空気に触れて赤褐色の水酸化鉄(Ⅲ)様の沈殿ができている。
1983年(昭和58)には泉温11.6℃、pH5.6、塩化物イオン2.57mg/kg、炭酸水素イオン428.0mg/kg、硫酸イオン0、成分総計1,838mg/kgで表4-2の数値より泉温以外はいくらか大きい程度で12年間で大きな違いはない。
市街地の西のはずれに塩の湯、のちに裾花温泉があった。郷路(ごうろ)山のすそで人家は少なく、休養や会合に利用されていたが、今は跡地に記念碑が立つだけで鉱泉の流れは見られない。水温9.5℃、塩化物イオン24.0mg/kg、硫酸イオン10mg/kg、炭酸水素イオン25mg/kg、遊離二酸化炭素21.5mg/kgの冷鉱泉であった。