瑪瑙沢(めのうざわ)・東沢・熊の塔・越水(こしみず)の表流水を水源とする戸隠水源をはじめ、山間地の表流水や湧水を水源としている原水・浄水の水質は、年間を通じて清浄できわめて良好である。
大日・寺尾・塚本・川田および早坂水源は電導度の値が他地域に比較して高く、カルシウムイオン・マグネシウムイオン・塩化物イオンなどの含有量が多い特徴を示している。
飲料水は、私たちの生命、健康にとって安全な水でなければならない。衛生的に安全な水については国で水質基準を決めているが、1993年(平成5)には微量化学物質などに対する規制も強化され、大幅に改定された。この改定にともない、水道局では安全な飲料水を各家庭に送るために水質管理体制の充実、強化をはかっている。
おいしい水の条件には、水温のほかカルシウムやマグネシウムなどミネラル成分があげられているが、カルシウムやマグネシウムは水のまろやかさ、カリウム・けい酸・遊離炭酸などは水のさわやかさに関係しているといわれている。
カルシウム含有の多い水を飲んでいる地域では心臓疾患が少ないとか、長寿村の水にはカルシウムがナトリウムやマグネシウムより相対的に多く含まれているなどの例もある。しかし、カルシウムも多すぎると当然害も出てくるので、含有量が高い値を示しているから健康によいとか悪いと判断するのは早計である。