(2) 夏の暑さと冬の寒さ

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 「夏はすずしく乾燥するが、盆地では高温になる。冬は寒い。」このことも内陸性気候の特徴であるが、また長野市の気候をよくあらわしている。

 表5-3によって、内陸部の長野市と、沿岸部で長野市とほぼ同緯度にある金沢市の気候の平年値を比べてみると、1月の月平均気温では、長野は金沢より約4℃も低い。最低気温の極値でも、金沢より長野の方がはるかに低温である。また、冬日の日数でも、長野は金沢の3倍近い日数となり、金沢と比べた長野の冬の寒さはきびしい。


表5-3 内陸と沿岸の気候の比較


図5-4 内陸部と沿岸部の気温日較差の比較 (『理科年表』による』)

 夏の気候を比べると、8月の月平均気温では金沢や静岡より長野の方が約2℃低い。しかし、最高気温の極値では、長野、金沢、静岡ともにほとんど同じであり、真夏日の日数でも3都市ともあまり差はない。長野の夏は盆地気象の特性があらわれて、平均気温は低いが日中の最高気温は相当高くなるといえる。