最高気温と夏日・真夏日

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長野市における気温の最高記録、すなわち日最高気温の極値は、1994年(平成6)8月16日の38.7℃である。これは長野地方気象台が1889年に統計を開始して以来、ほぼ100年間における記録である。それまでの記録は1942年(昭和17)8月15日の38.6℃であったが、ほぼ50年ぶりの記録更新となった。ちなみに現時点で長野県の最高記録は下伊那郡泰阜(やすおか)村で1942年8月3日の39.8℃、日本のものは山形の40.8℃(1933年7月15日)となっている。


図5-12 1994年8月16日の天気図
(1994年の夏は亜熱帯高気圧が日本付近で強まり、全国的に晴れて猛暑の日が続き、フェーン現象も加わって最高気温の記録を更新した)

 夏の暑さを表現する目安として、日最高気温が25℃を超えた日を夏日、30℃を超えた日を真夏日というが、夏日と真夏日の平年の日数は表のようである。


表5-5 夏日・真夏日の平年の日数

 長野市で真夏日があらわれる時期は、平地で5月から10月、標高700m以上の高原や山地では5~6月から9月までで、平地と比べると1ヵ月くらい遅くあらわれ、1ヵ月くらい早く終わる。平地では年間約39日であるが、7月は14日前後、8月は20日前後である。高原では年間20日くらい、1,000m以上の山地ではぐんと少なくなって5日くらい、1,500m以上のところではまれにしかあらわれない。また、長野市における真夏日の継続日数の最大は1924年(大正13)7月5日から8月14日までの41日間である。

 1日の最低気温が25℃以上の日を熱帯夜というが、気温が25℃以下に下がらないと、とかく蒸し暑くて寝苦しい夜となる。熱帯夜出現の平年の日数は次のようである。


表5-6 熱帯夜の平年の日数

 熱帯夜は長野県ではごくまれに起こる程度で、東京などの大都市に比べるとずっと少ない。飯田・軽井沢・諏訪はなし、松本0.1日(表では0日)、長野0.6日(表では1日)であるのに対して、東京14日、名古屋と新潟が5日、大阪26日などと多くなっている。

 長野県の夏は涼しくて過ごしやすいといわれていることは、とくに夜間の涼しさに負うところが大きい。寝心地のよい夜は、標高の高い長野県特有の冷えこみによってもたらされる。近年、地球の温暖化がいわれ、また都市化の進展にともなって各地でヒート・アイランド現象があらわれ、夜になっても気温が下がりにくい傾向がみられるようになってきている。