〔秋の気温分布の例〕 (1993年10月10日9時・14時)

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 前日に引きつづいての秋晴れの一日であった。9時には、長野駅から新田町方面を中心とする暖気域と、篠ノ井方面にも舌状の暖気域がみられた。14時には同心円状に広がり、18時には松代方面にも暖気域が形成された。この日のように風がなくてよく晴れあがった日の等温線は、等高線に沿ったように分布するようすがみられる。また、高温になる14時ごろには等温線の密度も増して、6℃以上の温度差となっている。これに対して、9時の観測では平坦部にはあまり温度差があらわれず3℃程度である。これは、風がなくてよく晴れあがり、地面からの放射も盛んな夜であったので、盆地の底に広く冷気がたまったもので、長野盆地の特徴でもあろう。季節的には春や秋に比較的よくみられる。


図5-17 等温線図 1993年10月10日 9時(快晴、風はほとんどない)


図5-18 等温線図 1993年10月10日 14時(快晴、風はない)