降水量の経年変化の特徴

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図5-25は、長野地方気象台が1889年(明治22)から1994年(平成6)まで観測した年降水量の経年変化のグラフである。このおよそ100年間における変化の傾向性について、長野地方気象台が1988年に編集・発行した『信州の気候百年誌』は、およそつぎのように述べている。


図5-25 長野市の年降水量の経年変化 (観測値:長野地方気象台)

  約100年間における長期傾向をみると、多雨期と少雨期が2回ずつあった。1890年代後半から1920年までは多雨期が続き、1920年代から1940年代前半までは少雨期となり、その後は再び多雨期に入り1960年代前半まで続くが、なかでも1950年代は多雨傾向が顕著で10年間の平均値が累年平均を100mm近くも上回っている。1960年代後半以降は少雨期に転じ、特に1987年は年降水量が556.0mmで観測開始以来の少雨極値を記録した。

 その後、1994年には555.6mmと極値を更新している。