(2) 上雪のタイプ

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 日本南岸にあらわれ、降雪を起こす低気圧には三つのタイプがあり、その低気圧の通過の仕方で、以下のようにばあい分けしている。

① 台湾付近や東シナ海で発生して本州南岸を通過するばあい[東シナ海低気圧型]

 このばあいは、八丈島と鳥島の間を通過するときに大雪になることが多い。これは、低気圧があまり本州に近づきすぎると、暖かい空気が流れこみ、かえって大気中の気温が高くなって雨滴になってしまうためである。


図5-30 東シナ海低気圧型

② 低気圧が二つ日本の南岸と日本海上にできたばあい[二つ玉低気圧型]

 このような場合は大荒れになることが多い。南岸の低気圧の方が勢力が強いときには、下雪になりやすい。


図5-31 二つ玉低気圧型

③ 低気圧が山陰沖から中部日本を横断して太平洋に抜けるばあい

 以上の三つのタイプがあるといわれている。このような場合、東京などでも大雪に見舞われることがあり、交通がまひしたり歩行者が転倒するなど生活への影響も大きい。

 中・南信地方や長野市南部に降雪量が多い場合は、このような状態になったときである。

 上雪の場合は、北風に乗って降る雪に比べると重く湿った感じを受ける。このときの雪片を観察すると雲粒が多く付着している。雲粒とは空中に浮遊する微水滴であり、これが雪の結晶にたくさん付着しているため水分の多い重い雪となる。

 雪玉や雪だるま作りなどこどもの遊びには、水分が多く結晶どうしが固まりやすい状態になっているこの種の雪は都合がよい。しかし、結晶の重さや互いの付着力の強さのために、木の枝が折れたり、電線に積もった雪の重さで切れるなど、生活にとってはやっかいなことも多い。