板状結晶は、気温が-10~-20℃での範囲で成長する。枝が出たり、板のままの形状であるかは、前述したように結晶を取りかこむ空気のなかにどのくらい水蒸気が含まれているかによって決まってくる。
水蒸気が多いと、凝結するさいに多くの潜熱を出すため結晶の温度がさがり、冷やされるので、かえって成長には適した条件になり表面積を広げることができる。水蒸気の多いときには樹枝状結晶になり、少なければ枝の出ない板の状態に近い結晶形になる。写真5-9は、幅広六花といわれるもので、気温が-15℃で付近で成長する。
写真5-10は、板状結晶を横から見たようすで、広い板の部分と小さい板と、それをつなぐ角柱があることがよくわかる。