(1) 体感温度

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人が感じる暑さ寒さ、いわゆる体感温度は単に気温が高いか低いかだけでは決まらない。体から奪われる放射熱は風や湿度、日射などによって異なるので、体感温度には風速、湿度、日射などが関係する。

 体感温度を数量的にあらわそうとする試みは多くあるが、問題が複雑なので一つの公式ですべてをあらわすことはむずかしい。一般に、夏や暖地は風速よりも湿度や日射の影響が大きく、冬や寒地では風速の影響が大きい。体感温度は風速が1m増すごとに約1℃低くなる。たとえば、気温が-10℃のとき、リンケという人の体感温度を求める式で計算すると、風速10m/秒の風が吹いている場合には、-22℃にもなり、体温の喪失は予想以上のものがある。高山では夏でも気温が10℃以下に下がって風雨に打たれると、疲労凍死の恐れがあるといわれるのも体感温度が下がるからである。