日本海の低気圧とフェーン現象

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気流が山を越えて吹きおりてくるときに乾燥し気温が上昇する現象をフェーン現象という。

 長野市では、日本海で低気圧が発達すると、南西の強風とともにフェーン現象が起きることがある。また、夏から秋にかけて日本海を台風が通過するときにもフェーン現象が起きることがある。そして、ときには強風が被害をもたらす。フェーン現象が起きると南西の風が強まり、気温は上昇し、湿度は低下する。

 図5-45は、フェーン現象が起きたときの長野県内の風と気温のようすである。西日本に上陸した台風14号が日本海に入ると、長野県内では南寄りの風が強まりフェーン現象が起きた。南信地方から吹きこんだ南寄りの風は県の南部に雨を降らせたのち、高温の風となって県の北部に向かった。千曲川沿いに吹きくだってきた南風は、長野市付近を南西の風となって通過し、新潟県へと抜けていった。この風は山と山のあいだを縫うようにして吹きぬけていくので、風の通り道にあたったところでは風が強くなり気温も高くなっている。


図5-44 フェーン現象の起きた日の天気図(1990年8月22日18時)


図5-45 フェーン現象のときの長野県内の風と気温のようす(1990年8月22日19時)