南岸低気圧と南西風

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本州の南岸沿いに進んでくる低気圧のことを南岸低気圧という。南岸低気圧は本州の近くを通るので本州の広い範囲で雨や雪の降ることが多い。


図5-46 南岸低気圧の天気図(1995年3月30日15時)


図5-47 南岸低気圧が接近してくるときの長野県北部の風向・風力(1995年4月14日17時)

 一般に低気圧がその場所の南を通過するとき北東の風が吹くが、南岸低気圧が接近してくるとき長野市では南西の風が吹く。これは、西から低気圧が接近してくるとき、本州の脊梁(せきりょう)山脈の影響で日本海側の気圧が低くなるためである。こうして、関東地方から軽井沢付近に吹きこんだ東寄りの風が千曲川沿いに吹きくだり、南西の風となって長野市を通過したのち新潟県方面へ吹きぬけていくことになる。

 このような風は、南岸低気圧が接近するときだけではなく、台風が本州南岸に接近したときにも吹くことがある。