山風
夜間の冷えこみによって生じる風には、山風と陸風がある。長野県内には、顕著な陸風はみられない。一般に山風はそれぞれの山の斜面ごとに生じる規模の小さな現象で、風速もごく小さいのがふつうである。夜間の冷えこみによって空気が冷やされ、山の斜面に沿ってゆっくりくだる山風が生じる。このときの風速は毎秒1m以下、風力1程度のごく弱い風である。これらの風はあたかも水が沢や谷に集まるように集まる。山風がもっとも強まるのは、長く急なくだりの斜面や沢が盆地に出る口にあたるような場所である。
図5-52 長野市の山風(1995年10月23日21~24時)