「ホウテが咲くと天気がよくなる」。
これは、松代を含め北信地方でいわれている天気のことわざである。「ホウテ」とは、木花とも呼ばれる樹霜のことである。
樹霜は、川面から発生した水蒸気など大気中の微水滴が樹木や草などに直接付着して凍りついたものである。この霜をよく見ると針状結晶や板状結晶などからできている。
この「ホウテが咲く」のは、気温が約-10℃ぐらいまで下がり風もない安定した気圧配置の夜や朝方に主に発生する現象である。
ことわざのなかで、天気がよくなるといいきれるのは、高気圧に包まれ、風もなく星がまたたき放射冷却が容易に起きる気圧配置の状態のときには樹霜(木花)が発生しやすく、翌朝は天気が良く朝日がさんさんと射すような日になるからである。
「ホウテ」は朝日に当たってじきに解けて、結晶を作っていた水分はまた大気中に入ってしまう。