霜害

285 ~ 286

長野では、平年4月29日ごろに降霜の時期が終わる。しかし、5月に入ってからの降霜も珍しくなく、凍霜害は5月の発生がその約70%を占めており、とくに作物の生育が進んだ中旬に被害を一番受けている。

 1987年(昭和62)4月13日・14日の降霜で、長沼地域や川中島・篠ノ井・安茂里・東条などの地域では、開花期にあったリンゴ、モモ、アンズなどに大きな被害が出た。このとき本州中部の上空1,500mには氷点下8℃という寒気が流れこんだ。13日には移動性高気圧が本州をおおいはじめ、14日には広く本州の東海上までおおった。快晴となった夜間に上空には強い寒気があり、さらに風もほとんど吹かなかったので放射冷却が起き、朝方には-3.4℃を記録した。


図5-55 長野における夜間の気温変化(4月13日、14日)


図5-56 4月14日の最低気温分布(℃)

 また、13日には0℃以下の継続時間が約11時間、14日には13時間も記録するなど長野市域全体が寒冷状態にあり各地で結氷も見られた。このときの被害額は市内で1億7千万円強となった。


表5-23 長野の霜の初・終日と総日数