〔台風19号による災害の例〕 1991年(平成3)9月28日

302 ~ 302

 台風19号は主に強風をもたらし、成熟しはじめていた農作物に大被害をあたえた。

 この台風は23日15時には大型で非常に強い台風(中心気圧925hPa、最大風速50m/s)となり、26日16時に佐世保市の南に上陸、北九州市、山口県を通過して日本海を北東に進み、北海道に再上陸している。この台風は洞爺丸(とうやまる)台風と進路が似ていて強い勢力のまま日本列島を縦断したため、広い範囲で20m/s以上の強い風が吹き荒れ、広島市でも最大瞬間風速58.9m/sを記録している。

 県内でも27日夜半前後の数時間は北部を中心に10~16m/sの強風が吹き荒れた。また、長野盆地から飯山地方の千曲川沿いでは27日夜半前後を中心に12~17m/sの強風が吹き、長野市内では千曲川と犀川・保科川の合流点付近で風が収束し、綿内では最大瞬間風速41m/sを記録したほか長沼で32m/s、篠ノ井で25m/s、長野地方気象台でも23m/sを記録した。


写真5-42 1991年台風19号の際の風速計記録

 日本海を北東に進んだ台風の影響により、千曲川沿いの右岸・左岸の約10kmの地区を中心に最大瞬間風速25m/sを超える強風が吹き荒れ、果樹被害は15億円を超えた。住家、塀、電柱、倒木の被害も大きかった。


図5-74 千曲川・犀川周辺の最大瞬間風速分布(m/s)


写真5-43 りんごの落果(9月28日)