(3) 早い初雪による災害

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 1985年(昭和60)10月29日の昼前から長野県内では雨が降りはじめ、山間地では12時ごろから雪に変わり、ところによっては吹雪となった。14時過ぎに寒冷前線が通過したため長野市でも気温が11.4℃から一挙に4.9℃まで下降し、長野市や松本市などの低地も雪となった。10月29日の初雪は平年より20日以上も早く、統計開始以来の最早記録となった。このときの降雪量は県北部の標高1,000m地帯では30cm前後、500m地帯でも5~10cmとなった。長野地方気象台での降水現象は雨が主体で、一時雪やみぞれとなったものの積雪にはいたらなかったが、市内山間地の降雪量はかなり多かったと思われる。

 この異常に早い大雪によって農林関係に甚大な被害が発生した。収穫直前のリンゴやブドウが湿った重い雪により樹木の折損や裂損が発生し、長野市内でもリンゴの枝折れ、落果、農業ハウスの倒壊、山林の折損など大きな被害が発生した。