3 気象のことわざと生活

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 気象のことわざは、昔の人びとが、空に浮かぶ雲や山にかかる霧を眺め、また動植物の生態を観察したりして天気を判断し、日常生活や季節をはずせない農作業の目やすとして、予知したことばである。それらは長いあいだの経験にもとづくもので、科学的に説明できるものも少なくない。

 天気の予知は、現在では、気象衛星が地球上の雲を写しだし、レーダーが台風や前線の動きをとらえ、電子計算機が予想天気図を作成するなど、科学技術発展の成果を活用している。しかし、気象のことわざには、その土地に結びついたものが多いだけに捨てがたいものがある。

 長野県下の天気のことわざについては、長野地方気象台の記録に残るものをまとめた

 『信州の天気のことわざ』(篝益夫 1965年)にくわしいが、今回さらに旧町村誌(史)に掲載されたものや新たに調査したものを加えて多数収集できた。そのなかから、長野市に関係するものや、全国的にいわれているものなどを中心にとりあげてみた。