(1) 日本海地域の植物

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 北海道の渡島(おしま)半島から中国地方にかけて、日本海側だけに生育分布する植物がある。この地域は冬の深雪が大きな特徴であり、多雪という環境がさまざまな植物を生みだし、分化させ、あるいは古くからの植物たちを温存させてきた。長野市の北から西の山地は日本海要素の植物が多く生育し、そして、南へいくほど北の要素は少しずつ薄まっていく。主な植物は、ユキグニミツバツツジ、ムラサキヤシオツツジ、タニウツギ、イワナシ、エゾアジサイ、ヤマモミジ等のほか、常緑低木(ていぼく)のハイイヌガヤやヒメアオキなどである。


図6-2 日本海地域の植物 エゾユズリハの分布図 (堀川,1972ほかより改図)


写真6-4 ユキグニミツバツツジ


写真6-5 タニウツギ


写真6-6 エゾアジサイ


写真6-7 ムラサキヤシオツツジ