(3) 河原やがけの植物

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 千曲川や犀川の河原は、長野市にとって大きな面積を占めている。橋の上から河原を眺めると、水辺から堤防のあいだがさまざまな植物におおわれていることがよくわかる。上流とはちがって流れもゆるく、侵食と堆積(たいせき)が繰りかえされ、小石とあらい砂の河原が広がっている。ときどきの増水で浸水する水辺最前線は、不安定な土地だが帰化植物などさまざまな草が生えている。洪水時だけ水が漬(つ)く土地は低木のヤナギ類が生育し、オギの原がつづいている。最近はグラウンドなどがつくられたり、富(ふ)栄養化が進んでオオブタクサやアレチウリなどの帰化植物がとくに増えてきた。


写真6-19 千曲川のオギの原


写真6-20 犀川の断崖(だんがい)に生えるケヤキ

 表土が乏しく、上が崩れ落ちる不安定な土地は、植物の生活にはあまりにもきびしい。採石場の跡地などは、いかに緑の植物を育てるかが今後の課題である。