(1) 自然植生

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昔から森林や草原といいあらわしてきたように、自然界の植物は集団をつくって生活する。この植物の集まりを単に植生(しょくせい)と呼び、まとまりがつくと群落(ぐんらく)という。

 裾花川の源流には、人間の影響をまったく受けず、自然のままに生育するブナの原生林があり、ミズバショウが咲いている。飯縄山(いいづなやま)の山頂付近は、江戸時代まで名の知れた修験(しゅげん)の場であったから影響はあっただろうが、その後は、登山道の周辺を除くと自然のままである。このように、原生林かそれに近い植生を自然植生という。とくに、人間活動が加わる直前の自然植生を原植生(げんしょくせい)とか原始植生と呼ぶことがある。

 国土の狭い日本では、もはや、ごく限られた土地にしか自然植生は残っていない。