(2) 代償植生

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 人びとの生活は、木を切って草を刈り、耕作をして植林もおこなってきた。その結果、雑木林や茅場(かやば)となり、道ばたや田畑は雑草群落でおおわれ、カラマツ、スギ、ヒノキなどの人工林ができてきた。自然植生が人間によって破壊され、つくりかえられた植生を代償(だいしょう)植生と呼び、人為(じんい)植生ということもある。

 現在、われわれが目にする大半は代償植生である。しかし、飯縄山のようにわずかだが自然植生も残されているので、いま見られるすべての植生をまとめて現存(げんぞん)植生、その広がりを地図に示して現存植生図という。