(1) 胞子(ほうし)でふえる植物

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シダ植物はタンポポやサクラのようなきれいな花をもたないが、あじわい深い緑色をした葉があり、胞子でふえる特徴がある。

 シダ植物の生活環は図6-6に見られるように、主に夏から秋にかけて熟した胞子が地上に落ちて発芽し、1cmほどのハート型をした前葉体になる。前葉体上で受精がおき、幼植物体となり、普通に見られるシダへと成長する。


図6-6 シダ植物の生活環

 また、シダ植物は葉、茎、根などの区別があり、茎のなかに水や養分の通り道である維管束(いかんそく)があるので、種子植物とともに維管束植物あるいは高等植物と呼ばれる。

 コケ植物との違いは、配偶体である前葉体と普通に見られる植物体である造胞体が独立して生活し、かつ造胞体(2n世代)が優勢であることである。コケでは、配偶体と造胞体が共存し、かつ配偶体が優勢となる。すなわち、一般に見られるコケはn世代の配偶体である。