(1) 食用となるシダ

333 ~ 334

 食用となるシダで、ワラビやゼンマイはもっとも身近なシダである。ワラビは発癌(はつがん)物質をもっているとされる。よくあく出しをすれば問題はないようであるが、あまり食べすぎないことも重要である。ゼンマイは他にヤマドリゼンマイがあり、葉が展開する前はよく似ているため、こちらも同じゼンマイとしてとられている。クサソテツはコゴミと呼ばれ、おひたしやテンプラとして食べられる。イッポンワラビやミヤマメシダなども食べられるシダである。実のところ、シダには有毒成分がないのでほとんどのものが食用となる。ただし、一度にたくさんとれたり、やわらかくておいしい、あくが少ないなど山菜として適するかどうかは別で、種々ためしてみるとよいと思う。広い山野には、山菜として有望な種類が数多く眠っている可能性がある。


写真6-45 ヤマドリゼンマイとその芽立ち(左)