③ 貴重種が残る逆谷地(さかさやち)
飯綱高原の東側にある逆谷地(標高940m)は、低い標高にもかかわらずミズゴケ類が4種類も生えた貴重な高層湿原である。これまで用水池にもされずに、むしろ不毛の土地として放置されてきた。地質調査の結果、およそ7万年前から現在まで、厚さ十数mにも達する泥炭(でいたん)を堆積(たいせき)していることが判明した。そこに埋もれている花粉を調べることにより、堆積した当時の環境が読みとれる。また、オオニガナやサワギキョウなど、豊かな湿原の植物を多く生育させている。
図6-13 逆谷地湿原の植生図 (長野市・1993)
写真6-81 サワギキョウ
写真6-82 ヤナギトラノオ
写真6-83 トキソウ