③ ジュンサイ(蓴菜、スイレン科)
今ではめずらしくなったが、昔は身近な池でいくらでも採れ、古名をヌナワ(沼縄)といって万葉集にも歌われている。ハスやコウホネ、スイレン(ヒツジグサ)などと同じ仲間だが、世界中に分布する1属1種の植物である。水に浮かぶ葉の裏や柄、茎などは、ぎょろぎょろした寒天のような粘質物におおわれる。5月から8月ごろまで、この若芽をつんで汁の実などに入れ、淡白な舌ざわりと特有な風味が好まれた。水が汚れたために各地で激減した。最近は休耕田を掘って栽培されている。
写真6-86 ジュンサイ
写真6-87 アサザ